【メディア掲載】地域の「想い」と「課題」に寄り添って

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全国ご当地エネルギー協会リレーエッセイ5
一般社団法人自然エネルギー信州パートナーズ 理事 小田切奈々子

ウッドボイラーデモ機の前で。小田切氏は「全国ご当地エネルギー協会」の北信地区幹事も務める。

ウッドボイラーデモ機の前で。小田切氏は「全国ご当地エネルギー協会」の北信地区幹事も務める。

長野県の豊かな自然を活かした新しいエネルギー社会をつくろう!という想いが集結して、2011年7月に「自然エネルギー信州ネット」が設立されました。信州ネットは、長野県が掲げる「環境エネルギー戦略」の構築とともに進められた、長野県内18団体の地域協議会が連携する全県的なネットワークです。各地域が主役となって自然エネルギー事業の普及に取組み、地域の社会的課題解決につなげていくことで、持続可能な未来を地域から切り開くことを目的とし、市民、企業、大学、行政等、様々な立場の方が参加しています。

私は、4年前に東京から移住したのですが、長野県が全県を挙げてエネルギー政策に取組もうとしていることを知り、私も何らかの形で参加したいという想いから信州ネットの事務局として関わることになりました。

信州ネットでは、地域主導の自然エネルギー事業を支援する組織をつくろうという議論が重ねられ、2013年10月に信州ネットを母体とした一般社団法人自然エネルギー信州パートナーズが誕生。地域の「想い」と「課題」に寄り添って、技術面、経営面、合意形成などを支援する組織を目指しています。

そのためには、自らが地域貢献型の事業を実践し、経験を積んでいかなくてはなりません。私たちのチャレンジは長野市鬼無里(きなさ)という過疎、高齢化、里山の荒廃が著しい中山間地で始まりました。林業経験者と地域住民が立ち上げた「LLP鬼無里薪ステーション」で生産した間伐材による薪の利用先を増やすため、信州カラマツストーブとエーテーオー社製ウッドボイラーを広める活動を行っており、この先、自然エネルギーによる「熱供給サービス事業」として仕組み化し、里山保全につなげたいと考えています。

また、荒れて農地に復活できない土地を再利用して鬼無里に2つの太陽光発電所を建設します。年間予測発電量150,000kWh、総事業費は約5,300万円です。市民出資、地域金融機関からの融資、寄付、県の補助金など複数の資金調達方法を組み合わせて計画を練っており、地域との合意形成を重ねながら、工事着工まであと一歩のところまで来ました。この発電所で得られた収益の一部は、鬼無里地域で活用していただくという事業スキームで、県内の中山間地域のモデルとして育てたいと考えています。

小さな規模の事業からスタートした私たちですが、たくさんの方々に支えられ、つながりが広がっています。これから少しでも地域貢献型の事業を増やせるように歩んで参ります。

今秋着工予定の鬼無里発電所予定地にて

『新エネルギー新聞』2014年8月25日掲載