当協会では、農山漁村での再生可能エネルギー事業に関してよくある質問をまとめました。ぜひご活用下さい。

ソーラーシェアリング全般

Q1. ソーラーシェアリングに関心はありますが、具体的な事業化の手順等がわかりません。どのように進めればよいでしょうか?

A. 基本的には、農家の状況やニーズの確認や農地などの条件が合うかの確認を始めに行い、合意を得た上で一時転用の許可申請や固定価格買取制度の事業認定などの各種申請に進みますが、個別の状況に大きく左右されますので、一度ご相談ください。


Q2. ソーラーシェアリング事業のリスクはどのようなものがありますか?

A. まず天候によるリスクがあります。ソーラーシェアリングは設置する地域の天候や農業の方法に合わせて、設定方法を変更し、個別に調整しています。例えば太陽光パネルの架台の強度等は、地域の天候などの特性により設定を変更しており、そうした設計をすることで自然災害による損害のリスクを低減することができます。想定を大きく超える自然災害の場合は、施設が故障することがありますが、基本的には保険でリスクを回避できます。
一方で、ソーラーシェアリングにおいて、一般的に天候よりも大きなリスクとして捉えられているのが、20年間の営農の継続です。長期安定的な営農の継続を担保するための「仕組みづくり」等が必要になります。


具体的な事業について

Q3. 所有している農地でソーラーシェアリングができるか、専門家の意見を聞くことはできますか?

A. ソーラーシェアリング事業では、該当する農地において、売電する場合は近くまで送電線が通っているか、自家消費する場合は近くに電力需要施設があるかが重要となります。こうしたご自身でも判断いただける点については、専門家が電話やメールなどでポイントをお示しすることが可能です。しかし、中には、実際に農地を訪問しないとわからないこともありますので、そうした場合は専門家を派遣し、直接現地にてアドバイスすることもできます。


Q4. 耕作放棄地でのソーラーシェアリングを検討していますが、可能でしょうか?

A. 耕作放棄地の場合は、土壌の状態等にもよるため、栽培作物には注意が必要です。また、該当する耕作放棄地の条件がソーラーシェアリングに適合するか確認する必要もありますので、ご相談ください。


Q5. ソーラーシェアリングに向いている作物はどのようなものがありますか?

A. ソーラーシェアリング事業で重要となるのは農業面の継続であり、20年間営農を継続するための着実な体制が必要となります。遮光率30%であれば、多くの農作物が生育すると言われていますが、栽培作物については、その土地で栽培されているものを選ぶのが良いと考えられます。すでに栽培されているということは、地元の気候にあっており、比較的栽培が容易な上、販路が既にあることが主な理由です。つまり、ソーラーシェアリングのために育てやすい作物を作ろうという発想よりも、安定的な農業を行うことを中心に考えることを勧めています。


Q6. ハウス栽培のソーラーシェアリングは可能でしょうか?

A. ビニールハウスの上にソーラーパネルを設置している例はあり、可能です。ビニールハウスの上に太陽光パネルを設置するシステムが展示会などでも案内されています。積雪がある地域では、パネルの角度などを調整することによって、雪が積もらないように工夫することができます。


Q7. 北海道は、大型農業が中心であるなど、規模や天候の面で特有の条件がありますが、ソーラーシェアリング事業を推進していくことは可能でしょうか?

A. まずは地元農家の状況やニーズを確認した上で、農地等の条件が合うか確認する必要があります。北海道(特に道東)では、大型農業機械を使用していることを考慮に入れ、農業手法や太陽光パネルの設置位置を検討する必要があるかもしれません。専門家によるアドバイスも可能ですので、ご相談ください。関心のある農家が多いのであれば、説明会を開催し、理解を深めつつ、事業化を推進する方法もございます。


Q8. ソーラーシェアリングでも、外部投資家が発電施設を作る事業モデルが展開できるのでしょうか?

A. ソーラーシェアリングは営農の継続という条件があるため、単に外部の資本家が投資目線で事業運営するには向かない事業と言えます。20年間の事業継続を前提とすると、地元と一緒になり、発電と農業を通じて地域の振興に役立つような事業モデルが安定性の高い事業であると考えられます。


Q9. 新規就農支援としてソーラーシェアリングを取り入れたいのですが、どのように自治体に説明すればよいですか?

A. 農林水産省においても、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)により、「農業者の収入拡大による農業経営の拡大などが期待できる」としてソーラーシェアリングを推進しており、「取組ガイド」も発行しています。こうした事例を自治体の担当者に紹介することも、有効であると考えます。


Q10. 地域でソーラーシェアリングに興味のある農業者の方が複数名います。事業化の方法等について、専門家に説明に来てもらう事は可能でしょうか?

A. 説明にお伺いすることは可能です。また事前に農業者の方とよく話し合い、近隣の事例を視察することも有益です。一般に、固定価格買取制度の設備認定や一時転用の申請などには時間がかかりますので、お早めにお問い合わせください。


Q11. 候補地となっている農地を視察して、事業立ち上げに向けた助言をもらえますか?

A. 専門家を派遣し、実際に農地を訪問して直接現地でアドバイスすることも可能です。まずはご相談ください。


窓口では、必要に応じて、すでにソーラーシェアリングに取り組まれている農業者をご紹介することも可能ですので、ご相談ください。

Q1. 地域の木材を活用して木質バイオマス発電を行いたいと考えていますが、どのような手順で検討を行えばよいですか?

A. まずは、地域で集められる資源の量、質などを調べる必要があります。一定以上の量が集まるようであれば、バイオマス発電や熱利用に活用できる余地はあると考えられます。しかし、発電の場合、特に発電規模が小さい場合は、まだコストが高いことが課題となっています。

さらに、技術的なこと以外にも、事業主体をどうするか、資金調達をどうするかなど、発電事業を行うために検討しなければならないことが多くあるため、本窓口に相談いただいた場合は、専門家がこうした検討課題についてアドバイスし、事業計画の作成等を支援します。


Q2. 家畜の糞尿を活用して、バイオガス発電を行いたいのですが、どのくらいの量が必要になるでしょうか?

A. 発電規模(何kW程度の発電にするか)によって、必要となる量は変わってきます。大規模な発電(MWクラス)を行うには大量の原料(糞尿)が必要です。一方、小規模な発電の場合、必要量は少なくなりますが、長期間、安定的に原料を確保する必要があります。

また、その他にも、近隣に熱利用の需要があるか、発電後の副産物として発生する消化液の処理をどうするかなど、コストや法規制対応など課題が多くあります。本窓口では、こうした課題について専門がわかりやすく解説するとともに、それぞれに合った事業化方法などを提案・支援します。


Q3. 地域の関係者との合意形成のため、発電事業視察を行う予定です。専門的・技術的な観点からの意見や合意形成のフォローアップをしてほしいので同行を依頼することは可能ですか?

A. 可能です。本窓口から、まずはご相談ください。

Q1. 近隣の河川で小水力発電を行いたいのですが、補助金は使えますか?

A. 小水力発電事業を計画するために必要となる、流量調査や設計等に活用できる経済産業省の補助金があります(平成30年度は4〜9月に公募)。小水力発電は、多岐にわたる項目の調査や設計が必要となるため、本相談窓口では、補助金を活用しつつ、信頼できる業者に調査を依頼することが重要となります。こうした具体的な調査・検討手順を説明するとともに、必要に応じて調査会社などを紹介することも可能です。


Q2. 現在検討中の小水力発電事業について、アドバイスをもらえますか?

A. 地域住民の皆様との勉強会を開催するなどして、対話する機会を多く持つことが重要です。再生可能エネルギーの意義やメリットを説明すると同時に、皆様が不安に感じる点を洗い出し、それについて一つ一つ丁寧に回答していくことで、関係性を築いていくことができると考えます。また地域にとってのメリットや貢献についても十分に考えることが重要です。


Q3. 小水力発電を行う事業主体の形態(NPO、農業法人等)について、どのような形態が良いでしょうか?

A. 事業主体の形態はいくつかありますが、地域性や事業の方向性等によって異なります。まずは方針をよく話し合い決定し、その方針を前提に、特性やメリット・デメリットを具体的に比較検討するのが望ましいでしょう。

農山漁村での再生可能エネルギー事業・マテリアル利用に関するお問い合わせは「相談窓口」にて受け付けております。

農山漁村再エネ相談窓口