全国ご当地エネルギー協会リレーエッセイ12
パルシステム生活協同組合連合会 地域支援本部 専任部長 小澤敏昌
産直と環境のパルシステムです。私たちは、北は福島県から南は静岡県までの約140万世帯の消費者(市民)が出資・利用・運営参加をしている生協グループです。
さて、なぜ、消費者組織が電力事業に取り組んでいるのでしょうか?
それは、原発の恐ろしさについて再確認したからです。そこで、私たちは何ができるのか? 問い返し論議して、減らす(省エネ)、止める(脱原発)、切り替える(再エネ)ことで、生活者がエネルギーを選択できる社会の実現に取り組んでいます。
パルシステム福島は、事業エリア内にある福島原発事故で、今でも多くの組合員が避難を続けており、浪江町の配送センターも避難区域のため閉鎖中です。また、福島第1原発から1.8kmの養鶏場をはじめ、多くの生産者・メーカーが被害に巻き込まれました。
私たちパルシステムは、福島コミュニティパワー基金を通じた復興ソーラー事業を始めとして、ふくしま再生可能エネルギー事業ネットとの連携等、自然エネルギーを活用した福島の自立と復興事業の連携に取り組んでいます。
パルシステム東京では、2013年より、自然エネルギー100%をめざしたグリーンPPS(新電力会社)の子会社を設立し、自らの事業所への電力供給から開始しました。2016年度以降の組合員への電力の産直の準備に取り組んでいます。
パルシステム山梨では、10年以上にわたる組合員交流と産直に取り組んできた秋田県大潟村の太陽光発電事業の連携に取り組んでいます。
パルシステム群馬では、組合員等が回収した生の廃食油を燃料にした廃食油発電事業に取り組んでいます。
私たちは、金のつながりではなく、人のつながりの組織です。全国の生産者やご当地エネルギーに取り組んでいるみなさんと夢や現実を本音で語り合いながら、一緒になって心地よい汗をかいています。未来の子どもたちに安全な食やエネルギーを手渡していく人のつながりを楽しみながら、地域主導のエネルギー事業の取り組みに参加してみませんか?
『新エネルギー新聞』第14号(2014年12月1日)掲載