当協会では10月3日、経済産業省に対しまして、「全国の「エネルギーの地産地消」推進に向けた送電線利用ルール(空容量ゼロ・工事負担金等)の改善の申入れ」を行うとともに、報道関係者に向けた記者会見を開催いたしました。

本申入れは、近年、再生可能エネルギー電力の送電線利用ルールが「エネルギーの地産地消」の大きな障壁となっていることから、大臣はじめ政府の皆様にこの問題の深刻さ及び重要性をご理解頂くとともに、その送電線利用ルールの改善を申し入れるものです。

概要

日時:2017年10月3日(火)13:00〜14:10
場所:参議院議員会館B-104会議室

経済産業省への要請項目(3点)

  1. 送電系統の「空容量ゼロ問題」の実態調査やその原因調査

全国各地で頻発している送電系統の「空容量ゼロ問題」について、政府においては第三者委員会による実態調査やその原因調査をして頂き、一般送配電事業者に対する指導・監督等の強化を進めるとともに、国として、問題解決のための制度運用改善やプロセスの透明化、系統設備増強に向けた方策を検討していただきたい。

  1. 系統連系の工事費負担金の実態調査と負担原則の見直し

再生可能エネルギーを送電系統に連系する場合に一般送配電事業者から請求される「工事費負担金」の額やその工事期間については、平成26年度以降調査が行われておらず、また高額な「工事費負担金」が原因で事業実現に至らずに諦めた事業については、いっさい調査が行われておりません。ついては、政府は第三者委員会による実態調査(放棄事業を含む)をして頂きたい。その上で、調達価格の接続費用の平均や広域的運営推進機関の提示する一般負担限度額を大幅に上回り、かつ事業費の数倍にも及ぶことのある異常に高額な工事費負担金や、10年以上の異様に長い工期を提示する一般送配電事業者に対して、工事費負担金に関する根拠やプロセスの透明化も含めた指導・監督の強化とともに、そもそもの負担原則を一般負担を中心とするルールへの見直しをお願いしたい。

  1. 「地産地消エネルギー」の優先接続・優先給電・一般負担原則の確認

「空容量ゼロ問題」「工事費負担金問題」も含めた様々な状況において、中小規模の再生可能エネルギー事業者が事業展開をしやすい制度づくりや制度運用をしていただけるよう、ご配慮いただきたい。とくに、地産地消エネルギーの優先接続・優先給電・一般負担原則を再確認いただきたい。

経済産業省への申入れ文について

【申入書】全国の「エネルギーの地産地消」推進に向けた送電線利用ルール(空容量ゼロ・工事負担金等)の改善の申入れ(PDF版
【参考資料】電源系統接続に関する実態調査の結果公表について(HTML版PDF版


経済産業大臣 世耕 弘成 様

平成29年10月3日
一般社団法人 全国ご当地エネルギー協会
代表理事 佐藤彌右衛門

全国の「エネルギーの地産地消」推進に向けた送電線利用ルール(空容量ゼロ・工事負担金等)の改善の申入れ

当協会は、経済産業省など国も積極的に推進している「エネルギーの地産地消」に全国各地で取り組む50団体と個人で構成される団体で、政府が示された2030年22〜24%という再生可能エネルギーの導入目標の達成に向けて、「エネルギーの地産地消」の観点から、太陽光発電、風力発電、小水力発電、バイオマスエネルギー、地熱・温泉熱発電などの地域での導入促進に尽力しています。

本申入れは、近年、再生可能エネルギー電力の送電線利用ルールが「エネルギーの地産地消」の大きな障壁となっていることから、大臣はじめ政府の皆様にこの問題の深刻さ及び重要性をご理解頂くとともに、その送電線利用ルールの改善を申し入れるものです。

以下、3点要請いたします。

  1. 送電系統の「空容量ゼロ問題」の実態調査やその原因調査

全国各地で頻発している送電系統の「空容量ゼロ問題」について、政府においては第三者委員会による実態調査やその原因調査をして頂き、一般送配電事業者に対する指導・監督等の強化を進めるとともに、国として、問題解決のための制度運用改善やプロセスの透明化、系統設備増強に向けた方策を検討していただきたい。

  1. 系統連系の工事費負担金の実態調査と負担原則の見直し

再生可能エネルギーを送電系統に連系する場合に一般送配電事業者から請求される「工事費負担金」の額やその工事期間については、平成26年度以降調査が行われておらず、また高額な「工事費負担金」が原因で事業実現に至らずに諦めた事業については、いっさい調査が行われておりません。ついては、政府は第三者委員会による実態調査(放棄事業を含む)をして頂きたい。その上で、調達価格の接続費用の平均や広域的運営推進機関の提示する一般負担限度額を大幅に上回り、かつ事業費の数倍にも及ぶことのある異常に高額な工事費負担金や、10年以上の異様に長い工期を提示する一般送配電事業者に対して、工事費負担金に関する根拠やプロセスの透明化も含めた指導・監督の強化とともに、そもそもの負担原則を一般負担を中心とするルールへの見直しをお願いしたい。

  1. 「地産地消エネルギー」の優先接続・優先給電・一般負担原則の確認

「空容量ゼロ問題」「工事費負担金問題」も含めた様々な状況において、中小規模の再生可能エネルギー事業者が事業展開をしやすい制度づくりや制度運用をしていただけるよう、ご配慮いただきたい。とくに、地産地消エネルギーの優先接続・優先給電・一般負担原則を再確認いただきたい。

政府、とくに所管官庁である経済産業省自ら推進しておられる「エネルギーの地産地消」の重要性に鑑み、そのさらなる普及促進を図るためにも、この送電線利用ルールのさらなる改善に向けて、特段のお取り計らいくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

以上