経済産業省に対して行った要請活動(「全国の「エネルギーの地産地消」推進に向けた送電線利用ルール(空容量ゼロ・工事負担金等)の改善の申入れ」)を行うに際して、全国ご当地エネルギー協会事務局では会員団体を対象に電源系統に関する実態調査を行いました。(PDF版


全国ご当地エネルギー協会 電力系統接続に関する実態調査について

一般社団法人全国ご当地エネルギー協会(事務局:認定NPO法人 環境エネルギー政策研究所)では、国内各地域でのご当地エネルギーとしての再生可能エネルギーの導入を推進するため、調査や情報共有を進めると共に、国内外への情報発信を行い、国や自治体等に対して政策提言を行っています。

この度の「空容量ゼロ問題」および「工事費負担金問題」の発生に際し、当協会では会員団体を対象として、再生可能エネルギー発電設備の電力系統接続に関するアンケート調査を実施しました。調査の結果として、当協会会員団体の事業において提示された工事費負担金は、FIT制度の調達価格の前提として示された平均値や、電力広域的運営推進機関(OCCTO)の定める一般負担金の上限額を大きく上回ることが明らかになりました。今回の調査ではこの高額な工事費負担金の提示や異様に長い工期がきっかけとなって、事業を断念せざるを得ない事例が多数あることも判明しました。

調査の概要

調査内容:再生可能エネルギー発電設備の電力系統接続に関する調査
・系統接続手続きの時期、系統接続手続きをする(した)電力会社、対象となる系統接続の手続き
・発電事業の概要、系統接続の手続き状況、工事費負担金の影響、その他など
調査対象:全国ご当地エネルギー協会会員団体
回答件数:11件(うち10件が高額な工事費負担金が請求されていると見られる。
※調査結果の詳細は事業者への確認と許可が必要となりますので、当協会へ一度お問い合わせください。

調査票の内容(一部)

調査結果

  • 本調査で回答を得られた事例11件のうち10件で、接続費用(FIT)平均値(太陽光63~0.74万円/kWなど)、広域的運営推進機関の一般負担上限額(太陽光 1.5万円/kWなど)を大きく上回り、高額な工事費負担金が請求されている。
  • 工事費負担金について、太陽光100万円/kW以上、小水力900万円/kW以上という極めて高額な工事費負担金が提示される事例が発生している。傾向として工事費負担金の請求額が高ければ高いほど、事業継続が困難となっている。
  • 一部の事業では、出力調整による対応等で、工事費負担金が下がった事例も見られた。
  • 工期に関しては10年を超えるものも見られる。10年以上の事業はもちろんだが、傾向として工期が長くなればなるほど、事業継続が困難になってきている。
【図表1】連系工事費負担金の分布(太陽光・風力)
【図表2】連系工事費負担金の分布(小水力)
【図表3】連系工事の工期の分布(全体)

:変更なしで着工済みもしくは着工見込み
:出力変更等後に着工済み、もしくは着工見込み
:断念
:事業検討段階
:広域的運営推進機関の一般負担上限額

参考

接続費用(FIT)平均値:太陽光 0.63~0.74万円/kW、風力 1万円/kW以下
一般負担上限額(OCCTO):太陽光 1.5万円/kW、風力 2.0万円/kW、小水力 3.6万円/kW

この件に関するお問い合わせ

一般社団法人 全国ご当地エネルギー協会
〒160-0008 東京都新宿区三栄町3-9 iTEXビル
TEL: 03-3355-2212/FAX: 03-3355-2205