当協会は、持続可能で自立した地域づくりを進める上で、重要な柱のひとつとなる営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)の事業化サポートをおこなっております。全国各地で取り組みを進める仲間たちとのネットワークを活かした効果的な支援をご提供いたします(ご相談窓口はこちら)。
営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)とは?
農作物をつくりながら、電気もつくる——。それが、営農型太陽光発電と呼ばれる新しい農業スタイル「ソーラーシェアリング」です。畑や田んぼで従来通りの農作物を育てながら、その約3〜4m上の位置に藤棚のように架台を設置して、その上に太陽光パネルを並べ、太陽の光を分けあって農作物とエネルギーを作ります。1つの土地で農業と発電事業を両立することができます。
また、太陽光発電で得られる電気は売電することも、自家消費として使用することも可能です。農水省認可から丸6年が経過し、農業の収益性を高める仕組みとして注目され、国の制度改定もあってその広がりはますます加速しています。
ソーラーシェアリングのメリット
日本の農地と食をまもります
荒廃農地や耕作放棄を活用することができます。日本全国にある未利用農地約40万haをソーラーシェアリングで活用することができれば、営農に加えて約200GW(約5,500万世帯分)の電気をつくることができます。
農業の収益構造と後継者不足の問題を解決します
ソーラーシェアリングで発電した電力を売電することで、農業者は収入を得ることができます。また、自家消費する場合は農業にかかるエネルギーコストを削減することができます。そのため、農業の収益構造を改善し、後継者不足の問題解決や新規就農者を増やすことにつながります。
地域の自立につながります
農業の継続と太陽光発電の組み合わせによって、農業の収益率を上げ、地域にお金を回して地域の経済活性化に繋げ、持続可能で自立した地域社会の実現を可能にします。すでに、地域の行政や学校と協働して活力あるコミュニティが各地に生まれています。
地球環境に貢献します
地球規模の課題である温室効果ガスの削減について、ソーラーシェアリング事業は、農作物栽培でCO2を吸収し、太陽光発電によってCO2削減(化石燃料に依存していた農業のエネルギー構造から脱却)することに貢献します。
SDGs にも貢献します
ソーラーシェアリングは、国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発のための2030アジェンダ)が掲げる17ゴールのうち、5つの目標達成につながる事業です。ソーラーシェアリングは、エネルギーを生み出し、気候変動への対策を進めることはもちろんのこと、農業者の働きがいと経済成長、産業と技術革新の基盤、住み続けられるまちづくりにもつながります。
ソーラーシェアリングの事業化に向けて
ソーラーシェアリング事業を始めるための条件は、次の5つです。
-
- 広さ1.5反(1,500㎡)の第一種農地を所有、または、20年間の借用ができる
- 送電線が近くにある
- 事業認定を取得できる
- 農業委員会の許可を得られる
- 電力会社と接続契約を締結できる
従来の太陽光発電とは異なる独自の仕様が必要になるため、このような手順がスムーズに進むよう、当協会が事業化サポートをおこないます。
また、当協会では、農業者と地域の関係者の協働によるソーラーシェアリング事業を重視しています。主な目的である農地の保全や農業の復興、そして、地域の再生をめざし、持続可能な農業のあり方を提案しながら地域に寄り添い、その存続や活性化のツールとしてソーラーシェアリングを活用する事業化支援をおこないます。
ソーラーシェアリングに対する懸念と対応策
ソーラーシェアリングに取り組むにあたり、下記のような懸念がよく聞かれます。これらについて、当協会では専門的知識とネットワークを活かしたサポートをおこなっております。
農業を継続できる自信がない
ソーラーシェアリング事業の仕組みでは20年間の営農が義務付けられていますが、農業を継続する自信がないという方には、下記のご提案をしています。
-
- 全国展開している農業法人と提携する
- 実績を持つ農業専門家とともに農業改善の相談へ
買取価格が年々下がり、採算が取れないのでは?
固定価格買取制度の買取価格は年々下がってきていますが、同時に技術の効率化も進み、設備投資額も下がっています。当協会では、しっかりと収益性を確保できる事業化に向け、設備や資金調達の工夫など、さまざまな方策を活用してサポートをおこないます。
日光を遮ることで農作物に影響が出るのでは?
ソーラーシェアリングでは、農作物の生育に必要な日照量を考慮し、一定の間隔を開けて太陽光パネルを設置します。これまで、日本で栽培されている主要作物は、ほぼ全ての品種が問題なく栽培されています。温暖化傾向にある近年では、遮光によって生育が良くなったケースも報告されています。
耕作放棄地でほんとうに農業ができるの?
荒廃農地や耕作放棄地などを利用する際に、どのような農作物が営農に適しているのか、多くの実践例をご紹介すると共に、専門家を交えて事業化のアドバイスをおこないます。
全国ご当地エネルギー協会では、「農山漁村地域循環資源活用・相談窓口」を通じてご当地ソーラーシェアリングの事業化支援をおこなっております。ソーラーシェアリングを進める上で、上記のような課題やリスクへの対応方法や地域での合意形成など、各地での経験を踏まえた包括的な支援を提供することが可能です。
ソーラーシェアリングの事業化をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談下さい。
参考資料
ブックレット
ソーラーシェアリングはじめてみませんか?
畑の上で太陽光発電できます!
全国ご当地エネルギー協会は、営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)の導入を促進するため、代表的な事例、よくある質問などをまとめたブックレットを作成しました。ぜひ、ご検討にお役立て下さい。
ソーラーシェアリングを推進する関連団体
一般社団法人ソーラーシェアリング推進連盟
代表理事:
- 近藤恵(二本松営農ソーラー株式会社)
- 馬上丈司(千葉エコ・エネルギー)
- 西光司(株式会社アグリツリー)
Web: solar-sharing.jp