【メディア掲載】市民風車の先駆けとして

Clip to Evernote

全国ご当地エネルギー協会リレーエッセイ2
特定非営利活動法人北海道グリーンファンド 理事長 鈴木享氏

NPO法人北海道グリーンファンド 理事長 鈴木亨

NPO法人北海道グリーンファンド 理事長 鈴木亨

2001年に日本で初となる市民出資による風力発電所第1号機「はまかぜ」ちゃん(北海道浜頓別町)が運転を開始してから13年が経ちます。「はまかぜ」ちゃんを皮切りに、現在まで北海道、東北を中心に16基(うち4基は金融機関他によるスキーム)、累計設備容量24,990kWの市民風車が風を資源に、一般家庭約1万6,000世帯分の電力をつくり出しています(発電量予想 5,700万kWh/年)。これは人口にして3〜4万人規模の町の電力量に相当します。

それぞれの市民風車には愛称が付けられ、地元の小学生に命名してもらっています。またタワーには出資者や寄付者など全員の名前が記されており、「My風車」を実感する取組みになっています。事業実績についても、第1号機の「はまかぜ」ちゃんから現在まで、出資者に対し毎年2〜3%の利益分配を実現しています。

累計出資額約24億円、約4千人が参加する市民風車事業は、NPO法人北海道グリーンファンド(以下HGF)、株式会社市民風力発電(以下CWP)、株式会社自然エネルギー市民ファンド(以下JGF)の3つの法人組織が推進体制を構成しています。いずれも筆者が代表を務めるグループ関連会社ですが、オリジネータでもあるHGFは、省エネ・再エネ等の普及啓発のみならず、「グリーン電気料金制度」という会員市民の電気料金の代行払いの仕組みを使った寄付(電気料金の5%分)による基金を組成している。この基金運用として株式出資し、風力発電事業の事業主体となる特別目的会社(SPC)を設立しています。

基金運用による自己資本金だけでは1基数億円を要する風車建設資金を賄えないことから、これまで一般市民から出資を募り、建設資金を調達してきました。このスキームが市民風車と称される所以です。出資の募集・勧誘行為は金融商品取引法において厳しく規制されており、JGFを第二種金融商品取引業者として国に登録し、市民出資ファンドの組成を継続してきました。

また風車の建設には、風況調査や用地の確保から始まり、電力会社との系統連系協議、各種許認可、地質調査等の実施設計、環境影響評価などの事業開発業務がともないます。さらに建設完工後は、20年間に渡るメンテナンスを含む運転・保守管理業務が必要になります。こうした専門性の伴う開発から保守管理までを一気通貫で担うのがCWPです。本年7月には17、18基目となる市民風車が、北海道石狩市厚田区において本格的な着工に入ります( 2,000kW×2基。本年12月運転開始予定)。

今後はHGFグループの推進体制を強化し、太陽光、小水力、バイオマス等への取組みを視野に、地域エネルギー事業を志す各地の方々への支援、連携を通して日本のエネルギー革命の一端を担っていきたいと考えています。

国内初の市民風車「はまかぜ」ちゃん

国内初の市民風車「はまかぜ」ちゃん

『新エネルギー新聞』2014年7月14日掲載