【メディア掲載】エネルギーを市民の手で自治しよう

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全国ご当地エネルギー協会リレーエッセイ11
生活クラブ生協神奈川 専務理事 半澤 彰浩氏

千葉デポーでの「にかほフェア」のひとこま。後左から2人目が半澤氏。半澤氏は「全国ご当地エネルギー協会」消費者幹事の一人でもある

千葉デポーでの「にかほフェア」のひとこま。後左から2人目が半澤氏。
    半澤氏は「全国ご当地エネルギー協会」消費者幹事の一人でもある

生活クラブ生協は首都圏を中心に北海道から兵庫県までの21都道府県で活動する33の生活クラブがそれぞれ自立して連帯している生活協同組合です。組合員数は約35万人です。生活クラブは設立以来、人間が人間らしく生きられる社会をつくるために「食」「環境」「福祉」を中心とした活動と事業を実践してきました。

エネルギーについては、2010年から自然エネルギーを自分たちでつくるチャレンジをしようと、首都圏の4つの生活クラブ(東京、神奈川、埼玉、千葉)で風車建設への取組みを開始し、2012年3月には初めての風車「夢風」が秋田県にかほ市で稼働しました。私たちは、この風車建設を「自然エネルギーを中心とした社会に転換していく運動のスタート」と位置付けました。その時の目的と構想は…

  1. エネルギーは「食」と並んで生活に欠かせないものであり、いわば「社会的共通資本」。企業や国だけにお任せするのではなく、自分たちで自治することが必要。そのためのモデルとして、自分たちでまず自然エネルギーをつくることにチャレンジする。
  2. 原発に象徴される大規模集中型の構造から、小規模分散型の自然エネルギーへの転換を図る。
  3. 自ら使うエネルギーを「選択」し、エネルギーを市民で自治する運動のスタートとする。

具体的には、〈第1段階〉モデルとしての自分たちの風車建設、〈第2段階〉自分たちの風車から事業所への電力供給、〈第3段階〉自分たちの電力会社を設立し、事業所や家庭へグリーン電力を供給し、エネルギー選択ができる社会にする、というものでした。

現在、風車「夢風」の剰余を建設地であるにかほ市へ地域還元する実践をすすめています。生活クラブと、にかほ市との「自然エネルギー社会づくりにむけた共同宣言」と連携協議会設置、にかほ市生産者連絡会の設立など、風車を縁とした「人と人の交流」「人とモノの交流」など地域間連携が進展しています。

また、2013年には首都圏4生協の取組みを、人と自然が共生していく社会をめざし「エネルギーを減らす、つくる、使う」の3つを柱とした生活クラブグループのエネルギー政策としました。

その一つの柱として、生活クラブエナジーという皆の電力会社を今年10月に設立しました。2015年からは生活クラブ事業所への電力供給事業をスタートします。

生活クラブの食の共同購入の産地は自然エネルギーが豊かな地域でもあります。今後、生活クラブの提携産地と、食にプラスしてエネルギーの産地提携を広げていきたいと考えています。これにより、都市の組合員はグリーン電力を手にし、生産者はエネルギーの産地提携を上乗せすることができます。2016年には当初構想であった「エネルギーの共同購入」の実現をすすめます。生活クラブエナジーをつることでエネルギーを媒介としたネットワークを広げ、「脱原発」の実態化、持続可能な地域社会づくりを展望していきたいと思います。

昨年の夏に開催された生活クラブ風車1周年記念式典。地元の人々と組合員のふれあいの場にもなったという

昨年の夏に開催された生活クラブ風車1周年記念式典。地元の人々と組合員のふれあいの場にもなったという

『新エネルギー新聞』第13号(2014年11月17日)掲載